キッチンの蛇口交換、自分でできる?プロが教えるDIYの手順と注意点
この記事の要約
この記事では、キッチンの蛇口交換を自分で行いたいと考えている方に向けて、DIYの全手順をプロの視点から解説しています。交換作業を始める前の「蛇口の種類とサイズの確認方法」という最も重要な準備から、必要な工具、古い蛇口の取り外し、新しい蛇口の取り付け、そして最終的な水漏れチェックまでを、具体的なステップに分けて紹介。また、DIYが難しい場合の判断基準も示し、読者が安全に作業を進められるようガイドします。
毎日使うキッチンの蛇口。古くなったり、水漏れが気になったりして「自分で交換できたら費用を抑えられるのに…」と考えたことはありませんか?
結論から言うと、キッチンの蛇口交換は、正しい手順と工具があればDIY可能です。しかし、水回りの作業は一歩間違えると水漏れなどの大きなトラブルにつながるため、”DIYの中級編”とも言えるでしょう。
この記事では、水道修理のプロが、蛇口交換を自分で行うための準備から具体的な手順、失敗しないための注意点まで、写真付きで分かりやすく徹底解説します。

Contents
交換を決める前に!蛇口の種類とサイズの確認が成功の鍵
作業を始める前に、最も重要なのが「新しい蛇口が自宅のキッチンに適合するか」の確認です。これを間違えると、せっかく購入した蛇口が無駄になってしまいます。
蛇口のタイプは主に3種類
まずは、ご自宅の蛇口がどのタイプかを確認しましょう。
- ワンホール混合水栓: シンクの天板に、取り付け穴が1つだけ空いている最も一般的なタイプです。

- ツーホール混合水栓: 水とお湯の管が分かれており、取り付け穴が2つあるタイプです。

- 壁付混合水栓: シンクではなく、壁から直接蛇口が出ているタイプです。

最重要!3つのサイズの測り方
新しい蛇口を選ぶ際は、以下の3つのサイズを必ず測っておきましょう。
- 取り付け穴の直径: シンクに空いている蛇口の取り付け穴の直径です。35mm〜39mmが一般的です。
- 配管のピッチ(ツーホールの場合): 2つの取り付け穴の中心から中心までの距離です。
- 給水管の接続部のネジ径: シンク下にある止水栓と接続する部分のネジのサイズです。
【完全ガイド】キッチン蛇口を自分で交換する全手順
ご自宅の蛇口タイプとサイズが確認できたら、いよいよ交換作業に入ります。
STEP 0:必要な工具と新しい蛇口の準備
- 新しい蛇口: 事前に購入しておきましょう。
- モンキーレンチ: ナットを締めたり緩めたりする必須アイテム。
- プラス・マイナスドライバー: ネジの種類に合わせて用意します。
- 雑巾・バケツ: 取り外し時に出てくる水を受け止めます。
- シールテープ: 水漏れ防止のために配管のネジ部に巻くテープ。
- (あれば便利)水栓レンチ: シンク下の狭い場所にあるナットを回すための専用工具。
STEP 1:止水栓を閉めて、古い蛇口を取り外す



- 水道メーターと止水栓を閉める: 自宅の水道メーターにある元栓を閉めた後、シンクの下にある水道の元栓(水とお湯の2つ)を、時計回りに固くなるまでしっかりと閉めます。その後、蛇口のレバーを上げて水が出ないことを必ず確認してください。
- 給水・給湯ホースを外す: 止水栓につながっている2本のホースのナットを、モンキーレンチで緩めて取り外します。この時、ホース内に残った水が出てくるので、下に雑巾やバケツを置きましょう。
- 蛇口本体を固定しているナットを外す: シンクの裏側に潜り込み、蛇口本体を固定している大きなナットを、水栓レンチまたはモンキーレンチで反時計回りに回して外します。
- 古い蛇口を引き抜く: 固定ナットが外れたら、シンクの上から古い蛇口本体をゆっくりと引き抜きます。
STEP 2:取り付け穴を綺麗に掃除する
古い蛇口を外すと、取り付け穴の周りには水垢やサビが溜まっています。この汚れは水漏れの原因になるため、雑巾や古い歯ブラシなどできれいに掃除しておきましょう。
STEP 3:新しい蛇口を取り付けて固定する
- 新しい蛇口を差し込む: シンクの上から、新しい蛇口のホースをゆっくりと取り付け穴に通し、本体を設置します。
- シンク下から固定する: シンクの下に潜り込み、取り外した時と逆の手順で、パッキンや固定金具をはめ、ナットを締めて蛇口本体をしっかりと固定します。この時、誰かに上から蛇口の向きを支えてもらうと作業がスムーズです。
STEP 4:給水・給湯ホースを接続する
新しい蛇口から伸びている2本のホースを、止水栓に接続します。手で締めた後、レンチで軽く増し締めします。強く締めすぎるとパッキンが破損するので注意しましょう。
STEP 5:最終確認!水漏れがないかチェック
- 止水栓をゆっくりと反時計回りに回して水を通します。
- 蛇口のレバーを操作して、水とお湯が正常に出るか確認します。
- 最も重要な確認作業です。接続部(止水栓とホースのつなぎ目、蛇口の根元など)から水が漏れていないか、乾いたティッシュペーパーなどを当てて入念にチェックします。
- 5分ほど様子を見て、水漏れがなければ作業完了です!
DIYの落とし穴とプロに依頼すべきケース

以下の場合は、無理にDIYを進めると状況が悪化する可能性があります。迷わずプロに相談しましょう。
- 止水栓が固くて閉まらない、またはサビている
- シンク下のスペースが極端に狭く、工具が入らない
- ナットが固着して外れない
- 作業に少しでも不安を感じる
キッチンの蛇口交換は、一見簡単そうに見えても、予期せぬトラブルが起こりやすい作業です。自信がない場合は、プロの水道業者に依頼するのが最も安全で確実な方法と言えるでしょう。
キッチン蛇口交換 よくある質問
Q.
交換作業はだいたいどのくらいの時間がかかりますか?
+
A. DIYに慣れている方で1〜2時間、初めての方だと2〜3時間以上かかる場合が多いです。特にシンク下の狭いスペースでの作業に時間がかかる傾向があります。
Q.
ネットで購入した蛇口の取り付けだけをお願いできますか?
+
A. はい、もちろん可能です。お客様がご用意された蛇口(施主支給)の取り付け作業も喜んで承ります。適合する蛇口かどうかが不安な場合も、購入前にご相談いただけますのでご安心ください。
Q.
必要な工具を教えてください。
+
A. 最低限必要なのは、ナットを回すための「モンキーレンチ」と「プラス・マイナスドライバー」です。シンク下が狭い場合は、蛇口を固定する専用の「水栓レンチ」があると格段に作業が楽になります。