トイレつまり・流れない・逆流の原因と対策｜プロが教える完全ガイド

トイレがつまった！流れない・逆流するときの正しい初動と原因の全体像

朝の忙しい時間帯、いつものようにトイレを流したら――
「ゴボゴボ……」という異音とともに水がゆっくり上がってくる。
この瞬間、多くの方が焦りと不安を感じるはずです。

トイレのつまりは、家庭の水回りトラブルの中でも最も緊急性が高い症状です。
しかし、焦ってラバーカップ（スッポン）を乱用すると、 逆流や汚水漏れを招くこともあります。

大切なのは、「どこが原因で」「どんな種類のつまりなのか」を落ち着いて見極めること。

本記事では、水道修理のプロが、
「トイレが流れない・逆流する原因の見分け方」から、 「自分でできる初期チェック」「業者に依頼すべき判断基準」までを解説します。

トイレのつまりは3つのタイプに分類できる

トイレの水が流れない・逆流する原因は、大きく次の3つに分類できます。

① 便器内つまり（最も多いケース）

トイレットペーパーや掃除シート、尿石、異物（おもちゃ・生理用品など）が 便器内部やS字トラップに詰まるタイプです。

• 水位が上がってからゆっくり下がる
• 「ゴボゴボ」という音がする
• ペーパーが残る／泡立ちが消えない

この場合は、ラバーカップ（スッポン）で軽く圧をかけるか、 異物が見える場合は決して無理に流さず取り出しましょう。

② 排水管つまり（床下・壁内での詰まり）

便器の奥や床下の配管、あるいは建物の共用排水管に汚れや異物が溜まったケースです。
この場合、家庭用の器具では改善しにくく、高圧洗浄・ワイヤー清掃が必要です。

• トイレを流すと浴室の排水口から音がする
• 家全体の水まわりが同時に詰まり気味
• 水が一気にあふれる／引かない

③ タンク・給水系の異常（流れない＝水が出ないケース）

「流れない＝詰まり」ではなく、タンクに水が供給されていない場合もあります。

• レバーを回しても水が出ない
• タンク内で“シュー”という音が続く
• 水位が極端に低い

✅ 初期チェック方法

1. 止水栓が閉まっていないか確認
2. ボールタップ・浮き球の動作確認
3. 給水管からの水漏れや結露を確認

DIYでできる安全な初期チェックリスト

トイレがつまったと感じたら、次の順番で確認してみましょう。

トイレの「逆流」は配管トラブルのサイン

便器内で水がボコボコと逆流する場合は、排気圧の乱れや 縦排水管の閉塞などが原因です。

• 雨の日だけ逆流 → 屋外排水マスの閉塞
• 2階のみ逆流 → 通気管（ベント管）の詰まり
• 1階と2階で交互に流れにくい → 縦配管の閉塞

これらは建物全体の排水経路に関係するため、早めに専門業者へ相談を。

「つまった」と感じた時に絶対やってはいけない3つの行動

• ❌ 何度も水を流す： 逆流・床下漏水の危険。1回で異常があれば止める。
• ❌ 棒などで突く： 便器の陶器を傷つける危険。
• ❌ 洗剤や熱湯を流す： 樹脂やパッキンを劣化させる恐れ。

ここまでのまとめ

• 「流れない＝詰まり」とは限らない。給水・排水・空気圧すべてを確認。
• DIY対応は軽度の便器内詰まりまで。
• 水があふれそう、逆流音がする、悪臭がある場合はプロへ。

次の章では、実際に現場で多い「部位別のつまり原因とDIY対処法」を詳しく解説します。
写真付きで再発防止策も紹介します。